名もなき建築|ストックを巡る冒険

タニウチノブヒコ[編集事務所ルームズ]活動日誌

活動プロフィール

タニウチノブヒコ

住宅系編集者・ライター・コンサルタント。編集事務所ルームズ主宰

NDC 分類 : 071 ジャ-ナリズム. 新聞(日本),674 商業(広告. 宣伝)),675 商業(マーケティング)

キーワード: ストック活用,長寿命化リフォーム,中古住宅流通活性,空き家の利活用と再生,賃貸住宅

 

 

1.これまでの取材・活動フィールド

住宅系の編集・ライティングを生業としています。

もともとはジャンルを問わないフリーライターでしたが、1990 年頃、住設機器メーカーのPR誌制作に関わったことから、建築(主に住宅産業)系の業務が中心になりました。以後、ほぼ住宅・建築系の出版物・PR誌・調査物等の編集が主業務となっています。

私は建築系の学校を出ていません。そのため技術系などの専門的な領域に弱い部分もありますが、反面、住まい手(エンドユーザー)・事業者側双方から、現場の生活に根ざした取り組みやビジネスを見続けてきたという自負があります。ハウスメーカーや建築家といった大手・著名な方々でなく、水道工事店、設備店、工務店、リフォーム会社等、どちらかというと市井の方々と多く関わってきました。

地域の実情に応じた取り組みを誠実に続けている現場の方々に対して、激変する市場ニーズやこれからのビジネススタイル等について(僭越ながら)情報提供を続けていければと考えています。

 

2.ストック活用ビジネス

これまで住宅全般をフィールドにしてきましたが、ここ10 年は既存ストックの利活用や再生に関する取り組みが増え、現在の中心業務となっています。

リフォームについても、単なる内装や設備交換中心の“お化粧リフォーム”でなく、居住性と資産価値を正しく向上させる性能向上リフォームについての啓発に取り組んでいます。

既存住宅の長寿命化については、(一社)住宅リフォーム推進協議会の調査・編集をここ6年ほど継続して実施しており、毎年同協議会から発行するビルダー・リフォーム事業者向けのテキスト等の制作にも携わっています。

 

3.空き家の再生と利活用

ストックの利活用をテーマにしていると、自ずと空き家問題にも関与せざるを得なくなってきます。「空き家対策特別措置法」や条例等の制定により、国や自治体は危険な空き家の除却を優先させているようですが、この業界にいる者として、空き家をどう利活用し再生していくか、前向きの視点で接していきたいと考えています。

耳学問だけでは拙いと、実際の取り組みにも参加し始めました。(一社)埼玉いえ・まち再生会議の会員として活動するほか、東京都世田谷区大蔵地区において、地域の景観保持や空き家対策、高齢者の住まい問題等についての解決法を模索しています。

 

4.賃貸住宅の質の向上を

個人的な話になりますが、私は23 歳でひとり暮らしを開始して以来、現在まで17 回の賃貸住宅を転居している、典型的な“引っ越し貧乏”です。

住まい方の選択肢が多様化し、住宅すごろくの“上がり”も変化しました。生涯賃貸住まいも珍しくない昨今ですが、賃貸住宅の性能・仕様はまだまだ十分とはいい難いものがあります。こうした、賃貸住宅の質の向上についても活動のひとつとしています。

幸い昨今は投資効率だけでない、前向きな賃貸オーナーも増えているようです。大家・入居者双方がハッピーになれる関係性を見つけていきたいと考えます。

 

5.結びに代えて

消費者の利便性を考慮すると、これからのリフォームビジネスは単に設計・施工に留まらず、幅広い領域でのサービス提供が必要なのは疑いありません。中古住宅仲介+リノベーションのワンストップサービスはその一例でしょう。しかし世の事業者全てがスーパーマンではありません。

現場を支える中小の事業者でも取り組み可能な、持続性ある新しいビジネスの領域を探っていければと思います。

 

*第1 回リノベーションまちづくり学会(関西大会)プロフィールシートより